保護観察官の仕事とは?

保護観察官 仕事

保護観察官の仕事

保護観察官とは、非行や犯罪をした人に対して、一般の人と同じ生活を送りながら、普通の生活に適応できるような社会復帰を円滑に進めるために指導監督するプロフェッショナルです。

同じく非行少年や犯罪者に対する処遇の専門家である少年院や刑事施設(刑務所)の職員が矯正施設の中で立ち直りを指導するのに対し、主としてて刑事施設や少年院から仮出所出院してきた後から関わる重要な仕事です。保護観察官は、非行や犯罪をした人が出所出院してからでは社会と刑事施設等でのギャップもあるため、その溝を埋めていけるよう働きかけているのです。また、犯罪予防活動にも取り組んでいます。

保護観察官の仕事は、犯罪を犯した人を理解し、その上で二度と犯罪を犯さないよう円滑な社会内復帰できるよう、保護観察という更生保護を担っています。

保護観察とは、面接などを通しその人が今どのような状況なのか把握し、その人が仮出所出院時に個別に決定される守るべきルールを守って生活するよう必要な指示や措置を取り、特定の犯罪的傾向を改善させるための専門的な処遇を実施したりします。また、犯罪を犯さないでも安心して生活ができるよう、適切な住居を得たりそこへ帰住するよう助けること、生活環境の改善や調整をすること、生活指導を行うなど、複雑で多岐にわたります。

このように、保護観察官の仕事は再出発を助ける仕事ですが、必要と認められれば、再犯の防止のため、保護観察を受けている人の身柄を拘束し、施設に収容するための手続きを取ることあります。

さらに、犯罪を犯す人の背景は一様ではなく、多様で複雑化しています。元々、保護観察官には、心理学や教育学、社会学、医学等に関する高度な専門的知識が求められているのですが、これまで以上の専門性が求められてきています。しかも、円滑な社会復帰のために地域社会との連携が必須となり、保護観察官は民間ボランティアや関係機関とのネットワークとの関係を良好なものにし、さらに活用していくことも重要です。そのため、保護観察官には、一人の人を深く理解するばかりでなく広い視野から物事を捉えることも必要です。

保護観察官になるには

保護観察官になるための採用試験は、国家公務員採用総合職試験、法務省専門職員(人間科学)採用試験(保護観察区分)、国家公務員採用一般職試験があります。合格後、法務省保護局、地方更生保護委員会、保護観察所に法務事務官として採用され、一定の期間、更生保護行政を理解するため仕事を経験することが必要となります。

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